インド、ミラー付きのアンティークジュエリーケースです。
手のひらに収まるほどの小さな箱の中に、驚くほど精緻な手仕事が凝縮されたアンティークケース。
八角形の端正なフォルムは、古くからインドや中東、中央アジアの装飾文化において「完全性」や「調和」を象徴する吉祥の形とされてきました。蓋には面取りされた鏡が嵌め込まれ、その周囲を囲む細かな透かし細工や粒状装飾には、職人の根気と技術の高さがうかがえます。
内部は二層構造。上段は自由に使えるプレーンな収納スペース、下段には四つの仕切りが設けられており、小さな宝飾品や香料、化粧道具などを整理して納められる造りとなっています。さらに蓋の裏側にも鏡が備えられ、携帯用の化粧箱としての機能も兼ね備えています。
その構造から考えると、裕福な女性が愛用したジュエリーケース、あるいは化粧道具や香料を収めるためのトイレボックス(化粧箱)の一種であった可能性が高いでしょう。
特にインドでは、上流階級の女性たちが鏡や香油、カジャル(アイライン)、クムクム(額に付ける紅)などを携帯するための小箱を持つ習慣がありました。本品の繊細な鏡細工と内部の仕切り構造は、そうした女性の私的な装身具としての性格を強く感じさせます。
年月を経た真鍮の表面には、磨き上げられた新品には決して現れない柔らかな鈍い輝きが宿り、蓋を開くたびに当時の持ち主の所作までも想像させます。
宝石や指輪を収めるジュエリーケースとしてはもちろん、香木やお香、小さなお守りを納める箱としても美しい存在です。
]ただの収納箱ではなく、かつて豊かな暮らしの中で大切に使われていた女性の小さな宝物庫。
その静かな気品と、現代では失われつつある圧倒的な手仕事の密度に、思わず見入ってしまう逸品です。
インド アンティーク ジュエリーケース
SKU: god219
¥28,000価格
消費税込み

