西インドのグジャラート州やラージャスターン州周辺の遊牧民・農耕民族の家屋で使われていた、アンティークの非常に装飾性の高い、木製のトライバルキャビネットです。
グジャラート州カッチ地方のラバリ族(Rabari)の伝統工芸のトライバルな収納棚で、実際に実用されていたお品物です。
鏡を埋め込む装飾や幾何学文様は、彼らの刺繍や建築装飾にも共通する特徴です。
一見して目を奪われるのは、全面を覆う緻密な幾何学彫刻と小さなミラー装飾。
これは西インドの砂漠地帯に暮らす民族が古くから用いてきた意匠で、「鏡は邪気を跳ね返し、幸運を招く」と考えられていました。
家具でありながら、単なる収納ではなく家を守る象徴的な存在として扱われていたことがうかがえます。
中央の扉の内部には衣類や貴重品、日常道具などを収納していました。
扉は小さいですが、中の容量は深く広いので、収納力も抜群です。
この種の家具は、しばしば結婚の際に持参される嫁入り家具として製作されました。
家族の豊かさや職人技術を示すため、時間をかけて細部まで彫刻が施され、代々受け継がれる財産として大切に扱われます。
扉の両脇に見られる人物彫刻も、守護や繁栄を象徴するモチーフとして用いられることが多く、西インドの民族家具らしい魅力となっています。
材はチークで、乾燥した気候の中で長い年月を経て生まれた枯れた木肌が実に美しい一台です。
機械加工では再現できない素朴な彫り跡や、手打ち金具の風合いからは、当時の職人たちの息遣いを感じることができます。
また、小さなミラーを埋め込んだ装飾は「アブラ(Abhla)」と呼ばれるカッチ地方特有の文化に通じるもので、民族衣装の刺繍技法を家具へ応用したような独特の世界観を生み出しています。
圧倒的な存在感を持ちながらも、長い年月によって落ち着いたグレージュの木色へと変化した表情は、現代の住宅や和の空間にも不思議なほどよく馴染みます。
茶道具や古陶器、民藝の器を飾るキャビネットとしてはもちろん、リビングの象徴的な収納家具としても魅力的。
西インドの民族文化と職人技術が凝縮された、まるで小さな建築作品のようなアンティーク収納棚です。
こちらはアートセッティングデリバリーにて配送予定です。
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SKU: cab042
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