インドの農村部や部族地域で作られた古い土器の小壺。実際に使用されることなく保管されていたデッドストック品でありながら、長い年月を経たことで静かな古色を纏っています。
最も印象的なのは、その独特な土味。灰白色から淡いベージュへと移ろう色調は、日本の須恵器や古墳時代の焼締陶に通じるような侘びた表情を見せています。釉薬を用いず焼成された素地には、轆轤(ろくろ)成形による繊細な挽き跡が残り、手仕事ならではの温かな息遣いを感じさせます。
胴部を巡る帯文は、単なる装飾ではなく、成形時の補強や意匠として施された伝統的な技法。素朴な器形にリズムを与え、民藝的な美しさを際立たせています。
焼成は比較的低温域の酸化焼成と思われますが、部分的に見られる淡い焼きムラや火色の変化が、単調になりがちな素焼きの表情に豊かな景色を与えています。窯の中で炎や灰の影響を受けながら生まれた自然な焼き目は、一点ごとに異なる魅力として楽しめる部分です。
用途を超えて、もはや造形物として眺めたくなる存在感。花器として枝物を一輪挿したり、そのまま棚上に置くだけでも空間に静かな緊張感を生み出します。古陶磁や李朝、民藝の器を好む方にも響く、土そのものの美しさを味わえる一品です。
年月だけが生み出せる柔らかな肌合いと、焼き締められた土の力強さ。その両方を宿した、素朴ながら非常に趣深いアンティーク土器です。
花器としてのご使用の場合、下に受け皿を敷いてお使い下さい。長時間の水を入れての使用は、素焼きの為、沁みてくる可能製がございます。
デッドストック 土器
SKU: god223
¥15,000価格
消費税込み

